モンドが8才の頃、授業参観で、教室の後ろに絵がずら〜っと貼り出されていて、その中にモンドの絵は埋もれていました。どの子供たちの絵も、太陽は赤、空は水色、雲は白、地面は茶色、草木は緑、人は肌色で塗られており、その絵を見て、ああそうか、モンドが家で絵を描かなくなった理由はこれかと感じました。 


授業参観の帰り道、夕焼けの中をモンドとふたりで歩きながら、初めて絵に関するアドバイスをした日のことはよく覚えています。


ボギー「モンド、見てみ。いま太陽って何色?」

モンド「ん〜、赤とオレンジのあいだくらい?」

ボギー「じゃ太陽が赤いとき、空は何いろ?」

モンド「オレンジとか黄色とか...紫っぽいところもある」

ボギー「そーやろ?太陽が赤く見えるときは空って青くないやろ?」

モンド「うん」

ボギー「あの木の葉っぱは何いろ?」

モンド「緑とか赤っぽいのとか黄色とか黒もある」

ボギー「そーよね、いろんな色が交ざっとるよね。自然の中にはいろんな色がいっぱいあるんよ。目に見える色もあるし、目に見えん色もあるんよ。だけん、モンドは自分が好きな色で好きなように色を塗れば良いっちゃない?」



それからしばらくして、モンドが町の風景画を描きました。

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学校の授業で使っている水彩絵の具ではなく、モンドがいちばん使いやすいカラーマジックで描いたその絵は、ヴィヴィッドな色彩が飛び出して来るかのような、ハッと息を呑む風景画でした。


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この絵は夏休みの宿題として提出し、福岡市の市民文化祭「美術作品展(小中学生の部)」で優秀賞をもらいました。


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「絵で賞をとった人はみんなベレー帽をかぶって行くものなんよ」って冗談でモンドにベレー帽をかぶせて授賞式に行かせました。 もちろんモンド以外は誰もベレー帽なんかかぶっていないので、モンドの格好は大いに目立っていました(笑)。


モンドが絵を描くときにベレー帽をかぶるスタイルは、このときの冗談から始まったのです(笑)。


そして再びモンドは絵を描くようになっていきました。




「授賞式の帰り道に家族で美術館のベンチに座ってるところ」

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つぎはいよいよ、モンドが似顔絵を描きはじめた頃の話です。

つづく。