東京新聞の連載「人生へろへろ」第2回目!
益城に住んでるおじいちゃんに会いに行った。
5月11日。
今日は休みだったので、益城町に住んでるおじいちゃんに会いに行くことにした。
益城インターで高速を降り、街を走る。車の窓からみえる景色に言葉を失う。
ネットやテレビのニュースで見た景色も、実際にみるとぜんぜん違う衝撃がある…。
よく知ってる風景が変わり果てていた。
のどかな農村もブルーシートの青が点々と広がっている。被害はこんなにも広範囲なのだ。
先日のイベントで集まった義援金を直接手渡ししようと思い、益城役場の益城町災害対策本部に立ち寄った。
役場は自衛隊やボランティアの方々でいっぱい。
生々しく壊れた庁舎で担当の職員さんと面会し、義援金を渡してきた。何度も「ありがとうございます、大事に使わせていただきます」と感謝の言葉を返され「がんばってください」という言葉しか出てこなかった。
益城町役場からおじいちゃんの家まで車で10分ほど、半年ぶりにおじいちゃんの家へ到着、避難所から家に戻ったおじいちゃんを守ってるのは、頑丈な梁や柱で守られた築100年の家。この辺りでは一番被害が少なかったらしい、とは言え納屋の壁は剥がれ、玄関には亀裂…。
避難所生活がきついので数日前に家に戻ったもののいつまた大きなユレが来るか分からないので、いつでも外に逃げ出せるよう玄関に布団を敷いて毎日寝ているらしい。
熊本の地元スーパー「よかもんね」で寿司や馬刺しなどいっぱい買って昼から宴会!
とにかく命が助かって良かった良かったと乾杯!おじいちゃん元気だった!ひ孫に囲まれて大喜び!笑顔みれて安心した~。
じいちゃんが作ったこけしの人形もゆれるたびに転がり落ちるからこけしはすべて段ボールに入れられていた。
本来はこんな感じでこけしが並んでいる。
介護のためおじいちゃんと一緒にここで暮らしている父と近所を散歩する。
至る所に爪痕が。
いつも遊びに行ってた納骨堂もヒドい有様だった。
千光寺は立ち入り禁止のロープが張られ中には入れなかったが、やはり無惨な状態になっているという。千光寺の正面の門に書かれたこの文字、うちのじいちゃんが頼まれて書いたんだそう、今まで知らなかったからびっくりした。
おじいちゃんは家を離れる気はまったく無いと言う。先祖代々100年以上守ってきたこの家を捨てて逃げることはできないと言う。
ボロボロになった街を眺めながらの帰り道。想うことはたくさんあるけど、いまはまだうまく言葉にできそうにない。
ただ、行って良かったな。見てきて良かったな。会えて良かったな。って思った。世の中はボランティアに参加できる人ばかりではないけど、休みの日に熊本や別府や湯布院などに行って、その街の店で買い物をし、飲食店で食事をするだけでも小さな支援に繋がってると思う。
とりあえず、6.11のボギー家族ツアー熊本編はどうやら開催の方向で進んでるようなので、その日は熊本のみんなにも会えたらいいな。活気のある熊本に一刻も早く戻れますように。
<ボギーの熊本でのライブ予定>
【モンド今日の絵・2016.5.11】プラスチックス
『ボギー家族の九州ツアー2016』徳島「ココ祭」編、レポ!
4月24日。
徳島のハレとケデザイン舎(旧・出合小学校)にて「ココ祭」!見事に晴れたぜイェー!!
こんなすんげー山の中に学校があったんやね。
というわけで、今日は山奥の廃校を使ったフェス「ココ祭」。
名前が出合(であい)小学校ってのもなんか泣ける。
主催したのは名古屋のPLUTATA。彼らもまた子供を育てながら自分たちのやり方で音楽とともに生活をしている楽団だ。バンド名がjaa-jaのだったころから何度もいろんな場所で対バンしてきた、だいすきな仲間だ。
Vo,Gtのゆうにゃん、会うたびに妖怪みたいな風貌になってきてる...俺もか(笑)。
ココ祭はとにかくぜんぶ手作り!手作りってセンスが大事だけどさすがPLUTATAチーム!いたるところに手作りの装飾がいちいちナイスセンス!
この錆び釘や鉄くずを組み合わせて使った布の表札とかめちゃくちゃかわいい!
入場料はなんと無料!経費などはすべて投げ銭制なのも驚き。2000円投げ銭すると貰えるこのおフダのようなもので物販と交換できる。
交換できるのはPLUTATA手作りのバッジやワッペン、手ぬぐいやお面などなど。
俺は出演者だけど、つい2000円投げ銭してこのバッジを手に入れた。
子供たちはオモチャのあたりクジ付きおみくじに夢中、財布空っぽにされた(笑)。
そしてライブの合間にも数回、百鬼夜行のようなパレードがあり、ガイコツに投げ銭を渡すシステム(笑)お金を集めるアイデアが楽しい!!
マルシェもたくさん出店してて、美味しそうな匂いがいっぱい。ライブ見てビール呑んでカレー食べて、最高やな。
廃校の教室を使った展示もいろいろ面白い。カフェやマッサージや、トーマスのキッズルームなんてのもある(託児所じゃないのでトーマスは遊んでる子供たちを真ん中でニコニコ見つめてるだけw)。
二階の教室ではモンドくんの似顔絵屋さん&ミニ絵画展。
似顔絵屋さんも大盛況!
ライブはぐっとクルーやとんちピクルスなど知ってる出演者も多く、こんな山奥で共演してるのがなんだか可笑しい。
しかし地元の現役僧侶ミュージシャン、イエーイ青木さんにはヤラレタ〜(笑)。
「♪僕らが仏を求めるように、仏も僕らに見つけて欲しいよ~」と氷室京介みたいに歌い踊ってる!
こんなクセのある歌い方で「♪心も身体もすこやかに~」とかすごくお坊さんっぽいこと熱唱しててギャップが最高に可笑しいし、突然ふんどし一丁になって踊り狂いだしたじいさんもめちゃくちゃヤバかった!!
どこかエンケンさんに似てる目付き、たぶんただ者じゃない。
いよいよボギーの出番。その前にナゾの劇団がナゾの芝居、山の奥でクエスチョンマークが100個くらい飛んでいた。まだ芝居の途中なのにPAさんのMCで強制終了されてたのも面白すぎた。
この流れからボギーライブ(笑)!
ボギー家族ライブ、出合小学校の校歌を歌うような気分で「カーニバル」から「贈る言葉」、最後はもちろん胴上げ(笑)!廃校の校舎で歌う贈る言葉、感慨深かった。
3年前の「はるかぜ」で初めて会ったふちがみとふなとさんのライブもはじめて見れた、すばらしかった。
いろんな町で出会った仲間たちが、出合(であい)小学校で集まってるってなんかグッとくるな。
新しい出会いもあったし、四国にはまた行きたいな。子供たちも存分にココ祭を楽しんでたみたいだし、家族で行って本当に良かった。
ラストはガイコツのパレードとPLUTATAの音楽、山の中で奇祭に迷い込んだような光景。
徳島から福岡までは車で8時間弱。時間の都合で最後の最後までは居れなくてざんねんだったけど、この不思議な余韻を残しつつの帰り道も乙なものだった。
面白いことってアイデア次第でいくらでも出来るんだな〜。
『ボギー家族の九州ツアー2016』香川〜高知(ただの旅行)編、レポ!
4月23日。
徳島で開催される「ココ祭」というお祭りに家族で呼ばれたので、ボギー以外は四国に行くのは初の家族のため、どーせなら前日から行って観光しようよと深夜に高速に乗った。下関のサービスエリアで少しだけ車中泊して、朝から四国へ向けて出発!
下松パーキングエリアで休憩、大阪遠征に向かい中のfolk enoughとまさかのバッタリ遭遇。こんな早朝6時とかに会うかね普通、しかも便所の前で(笑)。大笑い。
瀬戸大橋!四国に入りました!!橋ってテンション上がる、ひゃほーーー!!
まずは香川で讃岐うどん食う。外観めちゃ地味、でも名店らしい。
シンプルで美味い、そして安い。個人的には福岡のやわらかいうどんのほうが好きだけど。
香川から高知へ移動!
桂浜の海は大荒れ、雨もふってきた。
坂本龍馬の像。
土佐犬。
そして高知に来たらひろめ市場は外せない!
高知のソウルフード満喫!!
藁に巻いて豪快に焼くカツオの塩たたき!
めちゃ美味い!!!
だいぶ昔に一度ツアーで高知に来たことがあり、カオティックノイズというライブハウスのお世話になった。店長の井上さんや足袋猫ちゃんいるかなーと思ってふらりと立ち寄ったらどっちも居て「なんでいるの?」ってびっくりしてた(笑)。
今夜宿泊する徳島に行く前にお風呂に入らねばとネットで調べて「ファミリー温泉湯川」というお風呂へ。外観はまるで城!
ファミリー温泉という名前だけど家族湯は無し、ファミリー我々だけ(笑)。しかもお湯かなり熱め...。
銭湯に子供三人と入るの大変だ。髪を洗ってる間に今ちゃんがお客さんの洗面器を全部集めて重ねてしまった。「スミマセン!」と今ちゃんを掴まえたら、おじさんが無表情で洗面器を全て戻してくれた。背中一面に立派な入れ墨が入っていた。気付かずにテンちゃんが暴れだしたので無言で頭をはたいた。
お風呂で汗流したのに、変な汗かいたわ...。
そのまま徳島へと車を走らせる、夜は旧・出合小学校という廃校に泊まった。明日はここで「ココ祭」というお祭りがあるのだ。
主催者や明日出演するバンドマンたちがすでに準備のため宿泊しており、その子供たちが体育館で大騒ぎしていた。もちろんウチの子たちも(笑)。
夜中の体育館で走り回る子供たち、図工室で呑む大人たち、そして図書室で眠った。なんだか楽しい。だけど、熊本で避難所生活してる父や祖父もちょうどこんな感じで寝てるんだろうか?って頭をよぎる。夕方からどしゃ降りだった雨がだんだん小雨に変わっていく、明日の朝、晴れてたらいいな。
もし雨降ってたら体育館でライブ、雨上がったら野外でライブ。ぜったい野外が良いよね〜。おやすみ。
7月24日、朝。
深い霧に包まれてはいるが、雨はすっかり上がっていた!よっしゃ!!
『ボギー家族の九州ツアー2016』徳島「ココ祭」編、レポ!へつづく。
【モンド今日の絵・2016.5.10】平沢進
【モンド今日の絵・2016.5.9】谷公園の夕暮れ
『ボギー家族の九州ツアー2016』那珂川編、レポ!
4月17日。
家族ツアー今日は那珂川の子供服屋さん「Apple Boutique」の一周年記念としてお呼ばれ。
いきなり店の前でアオガエルをつかまえてテンション上がるテンちゃん(笑)。
子供服屋さんの店内にてモンドくんの似顔絵屋さんはじまりました、子供いっぱい和気あいあい。
今ちゃんもテンションめちゃ高い!!!
この日は店長黒木さんのそのご親戚一同で似顔絵予約のほぼ半分を占めてしまっているという面白い状況。お店の一周年記念に親族全部描いてもらおう!みたいな(笑)。
しかも親戚家族のお名前が「奥村」で、我が家と同じ苗字!しかもあとで判明したんだけど、旦那さんが「奥村英之」で、自分の父の名前「奥村英行」と一文字違いだけど読み方まで一緒(笑)!!!なんだか親戚が増えたような不思議な気分(笑)。
似顔絵の合間にモンドは綿菓子づくり機に夢中。綿菓子もすごい集中力で誰よりも上手く作ってた。職人気質なのかもな。
夜の部はミリカローデンという施設に移動し、そこでボギー家族ライブだ。
ミリカローデンはおもいっきり公共施設的なでっかい建物で、エントランスだけでもこーんな広い。奥に「エントランスステージ」と書かれたピアノがぽつん置いてあるスペースがあり、誰でも自由にピアノ弾けるらしい、おじさんが無心でピアノを弾いている音だけが誰もいないエントランスに響き渡っていた。シュールだ..。
そんな不思議な施設の奥の通路のずーーーっと奥。
リハーサル室と書かれた重い扉のそのまた奥。
ここが今夜のライブ会場である。しかも共演はみんな若いアイドルグループなのだ。なぜに?!ボギー家族ツアー中、最大の謎ブッキング!
土足厳禁だからみんなクツ脱いで、照明無いから蛍光灯が明々と点いたリハーサルルームでアイドルたちが歌い踊ってめちゃ盛り上がっとる!謎!謎すぎッ!!
369、STEREO FUKUOKAと続いてパークスレコードの松尾さんがプロデュース(?)したというアイドル歌手、浦郷えりかさん。セーラー服とかアイドルっぽい服じゃなくてテニスルック、しかも元気じゃないとこがグッとくる...(笑)。
とりあえず岡村靖幸「だいすき」をカラオケで熱唱し頑張る!アイドルたちは未成年者もいるので労働法的に20時を過ぎると帰んなきゃいけないルールらしく、ボギーライブがはじまると浦郷さん以外みんな帰っちゃって(笑)ボギー家族とアイドルのお客さんたちが残るというさらにシュールな現場に!!!
そこから家族をステージに呼び家族演奏からのタコ踊り大会でお客さん全員をタコ踊りに巻き込む!
タコ踊りしながらみんなで蛍光灯の下をぐるぐる廻り続ける光景はすごかった!写真が残ってないのが悔やまれる〜...(笑)。
なんだかんだで最後はめちゃ盛り上がったし!!!
楽しかったな〜。
アイドル追っかけてるお客さんって気が利く良い人が多いよね。ジャンルが違う人が演ってるときもちゃんと盛り上げてくれるし、良かったら話しかけてくれたり音源買ってくれたりしてくれるし、実際この日もCDいっぱい売れて嬉しかった!
でも、いつもと違う部分で脳みそ使ったせいか終わって真っ白な灰になったけど(笑)。
触発され終演後マイク持って歌いだす新人アイドル今ちゃん。マイクの持ち方、首の角度が完璧(笑)!
なんだかんだ賑やかで面白い一日だった家族ツアー那珂川編!Apple Boutiqueさん一周年おめでとうございました!今後とも家族ぐるみでお付き合いヨロシクおねがいしまーす!
『ボギー家族の九州ツアー2016』門司港編、レポ!
4月16日。
4.14におきた熊本地震。本震だと思っていたそのユレはまさかの前震で、28時間後の深夜に本震が起きた。夜中に緊急地震警報が鳴り響き飛び起きる。その後も数回に渡り大きなユレが。その度に警報音で飛び起きてほとんど眠れないまま朝を迎える。
テレビをつけると熊本では死者も含む大きな被害が広がっていた。
また大きなの来るかもしれない...そんな不安を抱えた日に「ボギー家族の九州ツアー」は門司港に向かった。
昼の部モンドくんの似顔絵屋さんをやる会場は、シマネコブックストアという可愛い本屋さん。主催の松浦くんがこんな歓迎垂れ幕まで作ってくれてて感激!旅は気持ちを明るくしてくれる。家にいたらニュースばっかみて暗くなっちゃうもんな。
シマネコブックストアは中央市場というシャッター商店街の中にある。
ほんとにほとんどの店がシャッターしまってて、かつてあった活気の名残も埃をかぶっているようだ。
そんな埃かぶった商店街のアーケードの中をテンちゃんや今ちゃんが走り回り、埃を舞い立たせていた(笑)。
シマネコブックストアの前にある「野崎商会」という謎のお店に黄色いおっちゃんが現れてシャッターをあげると、そこは不思議なお店!!いったい何屋さん???
おじちゃんが集めてきたガラクタのようなおもちゃをコラージュした作品が山のようにある店内。「どれでも持って行っていいよ~」って全部タダらしい(笑)。
なんとも言えない世界観!BGMは演歌やし。
特におじちゃんが壊れた腕時計で作った門司港マップがヤバイ!
文字板のところに実際の町の写真を張り付けてて細工が細かい!
しかし、なぜこんな店が成立しているか謎すぎる…。
モンドの似顔絵屋さんは、地震の影響でキャンセルするお客さんも数組。高速道路が封鎖されている箇所やJRなど交通機関がマヒしており、会場まで行けるかどうか不安な上に、まだまだ大きめの余震が続いているという状況だったから仕方ないことだろう。
そんな中でも、モンドの似顔絵で幸せになってくれて「不安だったけど来て良かった、気分が晴れた」と言ってくれたお客さんがたくさんいたことが嬉しかった。
シマネコブックストア、お世話になりました〜。
さて、次は会場を移動し、夜のボギー家族ツアーは旧門司文化服装学院という泣けてくるほど雰囲気サイコーな建物!
モダンな昭和の匂いが残っている。
松浦くんからDJを習うテンちゃん。なかなかスジが良いかも(笑)。
その後、2階の控え室で上半身裸の野生児と化すテンちゃん...。
ライブはアイドルのあぁちゅから始まった。あぁちゅは佐世保での家族ツアーもぜんぶ見に来てくれたり、奥村靖幸も見に来てくれたり、今月は毎週会ってる(笑)。
で、そのまま紫川カナシミ合唱団。毎回どーしようもなくぐだぐだなんだけど、そのぐだぐだ感がこそばゆく、だんだん愛おしさに変わってくる不思議な集団。ボギーの「青い春」をぐだぐだにカバーしてくれた(笑)。
急遽出演決まったオクムラユウスケ。
ヒーローズのよしひーろーさんの新しいユニット、Yの助と続き最後にボギー家族。
家族での演奏はステージ上で今ちゃんが眠りゆく様子をみんなで見守るという可笑しな光景だった。眠くても楽器持ってなんとかステージに立ってる姿はいじらしい。
アンコールに次ぐアンコールで結局2時間くらいライブした。ライブ中も余震はあったらしい。不安な夜こそ音楽は響く。笑えないときにこそ笑えることやりたい。
実は主催の松浦くんから前日に「正直このタイミングでイベントを開催していいもんなのか迷っています...」というメールが来たので、ソッコーで「こーいうときこそおもろいことやろうや」と返信。すぐに松浦くんから「ボギーさんならそう言うと思ってました。気持ちが吹っ切れました」と返ってきた。
おかげで間違いなくこのタイミングでやって良かったなあと思える楽しい夜になったと思う。
この日は益城で避難所にいる父と祖父母以外の奥村一族は昨夜の門司港ライブにみんな集まっていた。あらためて家族が一緒にいることは心強いと思った。
こんなタイミングで家族ライブやれたことは忘れないと思う。またいつかここでライブやりたいな。イベントしてくれた松浦くんはじめみんなありがとう!